広告に関する基礎知識

広告に関する基礎知識

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1.広告の本質

株式会社金森実業の代表,金森重樹氏は,その著書において「札束に火を付けて燃やす覚悟」で広告宣伝をする大切さを説いています。

札束に火をつけて燃やす,とは大げさな表現ですが,本当に伝えたいメッセージは大げさに感じるくらいでないと,なかなか伝わりません。

広告はあくまでも費用対効果の投資です。割に合う投資になるかどうかは広告の質によります。

銀行の普通預金は,現在0.042%(2012年9月18日 北海道平均)です。

100万円預けて,1年後に得られるのはたったの420円(税引き前)です。

一方,例えば10万円の商品(うち,仕入れ・諸経費5万円)を販売しているとします。100万円の広告費を使って,20人の成約に成功したならば,

10万円×20人=200万円(売上)

200万円-広告費100万円-コスト5万円×20人=0円

つまり20人でプラスマイナス0なので,21人以上成約できれば,5万円の利益が出ます。

質の良い広告を作成することができ,30人成約したら,利益は50万円になります。

先ほどの普通預金金利と比べたら,どちらが投資として割が良いでしょうか。

結論として,広告の本質は投資行為であると言えます。広告宣伝はビジネスの発展を加速したり,いわゆるレバレッジを掛けたりする行為です。

 

2.広告の種類

広告の方法(チラシ,DM,ネット等…)は多岐にわたります。これらの広告を分類すると,次のようになります。

(1)イメージ広告

企業のブランドイメージを構築するための広告です。一般的なTVCM(例えば自動車関係のCM)等がこれに該当するでしょう。

(2)認知広告

分類の仕方によっては,これもイメージ広告に含まれるかもしれません。電話帳などに印刷されている,名刺をそのまま載せたような広告です。

(3)レスポンス広告

顧客が,どれだけその広告によって反応したかを数値で測定できる広告です。

TVCMのうち,サプリメントに関する主な広告が,レスポンス広告になります。

 

3.広告の役割

そもそも,広告の定義は「広く世間一般に告げ知らせること。(大辞泉)」です。転じて,「商業上の目的で,商品やサービス,事業などの情報を積極的に世間に広く宣伝すること。(大辞泉)」という定義で利用されるようになりました。

この定義からわかることとして,もともとの広告の役割は「何らかの伝えたいことを世間に知ってもらうこと」になります。

それは,会社そのもののことかもしれません。商品やサービスのことかもしれません。

例えば,ある町で税理士が事務所を開業したとします。広告を出します。この場合,広告の役割,すなわち,最低限伝えるべきメッセージは,

①●●という税理士がこの町で開業したこと

②この税理士は,■■の業務に関して相談したり手続を依頼したりすることができること

③その他(営業時間,場所,連絡先等)

となります。

これが認知広告です。

 

4.広告の鉄則

広告の鉄則を一言で述べるならば,

「どんな広告でも出さないよりは出した方が良い」

であるということです。

先ほどの税理士の話であれば,広告を出さなければ,誰もその町で税理士が開業したことは知り得ません。近所の人など,一部の人は把握するかもしれませんが,口コミで広がるようなものでもないので,税理士を必要とする人に対して,情報が届きません。

しかし,拙い広告であっても,出せばそれを見る人が居る限り,そこから情報が伝わります。

どんな広告でも出さないよりは出した方が良いなのです。

もちろん,広告にはコストが掛かるので,費用対効果を考えたときに,10万円の広告宣伝費を掛けて,売上が1円も伸びなかったならば,それは困った事態です。

実際に,私はかつて広告代理店に依頼したことがあります。特定の広報誌に掲載する為には,条件として指定の広告代理店に依頼しなければなりませんでした。できあがった広告は,典型的な名刺広告です。事務所名と連絡先しか書いていない,キャッチコピーひとつないものでした。それでも出さないよりは出した方が良いのです。

売上アップに繋がらなかった場合,その広告宣伝費は授業料だと思って下さい。より良い広告を作る必要を学ぶ良い機会と思って,もっと広告について学ぶべきでしょう。

 

5.認知広告の問題点

とはいえ,認知広告には大きな問題があります。それは,広告の効果測定ができないことです。

先ほど,反応がなければより良い広告を作ればいい旨申し上げました。

ここで大切なのは,「良い広告とは売れる広告」であるということです。綺麗な広告,見栄えの良い広告であっても,売上アップに繋がらなければ意味がありません。

そして,パターンAとパターンBの広告を作成した時に,どちらが良い広告かを判断するには,効果測定が必要です。

認知広告では,この効果測定ができないのです。

顧客にその都度「当社の商品(サービス)は何でお知りになりました?」と聞けば,ある程度はわかるかもしれませんが,広告の比較検討ができる程度まで精度の高い効果測定はできません。

これが,認知広告の問題点です。

 

6.レスポンス広告による効果測定

例えば「今申込みの方には,●●をプレゼント!今すぐ下記の電話番号より申込み下さい」という広告を出します。この電話番号は,その広告専用の番号にします。これで,その電話に掛かる件数イコールその広告の効果として測定できます。

このようにして効果測定すれば,広告をより良く,すなわちより売れるようにブラッシュアップしていくことができます。

プレゼントの内容を変えたり,広告の文言を変えたりすることで,反応を確かめることができます。これがレスポンス広告の強みです。

 

7.まとめ

広告は,ビジネスを加速させるために極めて重要な行為です。

どんな広告であっても,出さないよりは出した方がマシです。出せば出すだけ,広告の目的である,伝えたいメッセージを広げることが可能です。

広告には3つの種類があります。

慣れないうちは,認知広告で十分です。

特に新しいビジネス(新規開業など)は,認知してもらうことが一番大切です。どんどん広告宣伝をして下さい。

そして,レスポンス広告が,一番優れた広告です。効果測定が可能なので,反応率を見て,ブラッシュアップすることができるからです。

売上が伸び悩んでいる状況で,広告を出していない場合は,まず広告を出しましょう。