知的財産への価値を理解できない輩への対処法

知的財産への価値を理解できない輩への対処法

読んで役に立つ,学びがあったと思った方は「いいね」やシェアをお願いします。

以前書いたブログ記事に

「ちょっと聞きたいんだけど」という悪魔

というものがあります。
高度な知的専門サービスを扱っている人達に,
「ちょっと聞きたいんだけど」と言って,タダで情報を引き出そうとする盗人達の話です。

対処法としては,
「撃退して二度と寄ってこないようにする」
のがひとつの方法でした。

そこはどちらかと言えば心理操作的なやり方になるので,今日は
「マーケティング的」
な解決法について出来そうなことを書いていこうかと思います。

マーケティングという言葉だと分かったような分からないような感じかもしれませんが,別の言い方をすれば,単純に「集客」となります。

要するに人集めです。

人を集めるには,絞り込みが必要です。
例えば,
「女性限定」
と書けば,基本的に男性は寄ってこないでしょう…たぶん。

同様に,
「65歳以上限定」
と書けば,20代の若者は寄ってこないでしょう。

ここでのコツは,
「女性」
「65歳以上」
などと,具体的で分かりやすい基準を設けることにあります。

これをマーケティングに置き換えてみると,とたんに
「具体性」
が無くなります。

例えば,
「病気がちな人」
「どうも体調が優れない人」
という表現に具体性はあるでしょうか。

これを具体的に表現するならば,
「過去3ヶ月以内に5回以上内科医の診察を受けた方」
「過去思い出せるだけで3人以上に『顔色が良くないよ』と言われた方」
という感じでしょうか。

ではこれらを踏まえて,コンサルティングやカウンセリング,セラピーなどを生業にしている人相手に,無料で情報を引き出そうとする盗人にはどのように対応したらいいでしょうか。

それは,
「無料」
の部分を明確に分けることです。

例えば,物理的に分けて無料で提供している例として,デパ地下の試食があります。
食べ物を小さく刻んで楊枝を差し,前を歩いている人に無料で差し出します。
受け取った人は,それを無料だと思うでしょう。
もう少し掘り下げて行くなら,
「本来有料の食べ物だけど,今回は試食用に小さく切り分けてあるので無料でもらう事が出来る」
ということを理解しているはずです。

現に,子どもなどが何度も何度も無料で食べようとする,などといった場合はあるかもしれませんが,大人が寄ってきて,
「試食じゃなくて,元の製品を全部タダでよこせ」
という人は恐らく居ないでしょう。
いたとしたら単なる恐喝事件です。

このようにデパ地下の試食は
(1)「元の商品は有料であること」
(2)「試食用は無料であること」
(3)「どこまでが試食用として無料で提供されるのかが分かれていること」
この3点が明確になっているので,
「本来有料部分までタダでよこせ」
という人は現れないのです。

上記(1)~(3)を,コンサルティングに置き換えると次の通りとなります。

(1)元のコンサルティングは有料であること
きちんと,1時間●万円と,明確に謳うことが必要です。

(2)お試し用は無料であること
なぜ1時間●万円のコンサルティングが無料なのか,その理由をきちんと説明します。
例えば,
「コンサルティングをというものを受けたことが無いかもしれません。あるいは,私の実力が分からず,『この人にコンサルティングを依頼しても自分の問題は解決するだろうか』と不安に思うかもしれません。そこで,初回限定●時間までは本来●万円のところを無料で提供しますので,まずはお試しください」
という感じでしょうか。

(3)どこまでが無料かを明確にすること
コンサルティングだったら,●時間と,明確に区切ることは可能でしょう。
あるいは,同じ無料コンサルティングであったとしても,一定の内容が明確に判断出来る場合は,
「その部分は有料です」
と言えるかもしれません。

例えば,私の場合セールスコピーライターとしてコンサルティングをすることがあります。
その時に,具体的なキャッチコピーそのものまでその場で考えて教えたら,
「紙で書く」か「口で書くか」の違いはあれど,事実上タダでコピーを書いてしまっているも同然です。
だから,
「そこから先は有料です」
とはっきり言えばいいのです。

この3ステップのうち,問題になりそうなのが,
(1)の「本来有料なものであること」という点です。
物を売るわけではない以上,具体的にそこに現物があるわけではないのですから,
「それくらいタダで情報をよこせ」
という短慮な人に遭遇するかもしれません。

だからこそ,マーケティングが必要なのです。

例えば,
「もしあなたがこの問題を地力で解決するとしたら,いくらの金額とどれだけの時間が掛かるでしょうか。
本屋へ行き,何冊も本を買っては読み漁り,それでも自分の問題とちょうど一致するような解決策が見つからなかったら,時間とお金の無駄になるだけです。
けれど,専門家は過去●年間かけて,高度な知識や経験を蓄積していますので,あなたにとって最短かつ最適な解決策をご提案することができます。その為の費用が,1時間●万円なのです。
ただ,初めての(以下略)」
という感じでしょうか。

言葉を選ばすに表現するならば,専門家の高度な知識や技術の奥には膨大な努力や労力,費用の積み重ねがあります。
あたりまえの話です。

ただ,知的水準の低い人は,自分でそれだけの労力を掛けて何かを習得してきたことがありません。
だからこそ,それらの専門知識を身につけるためにどれだけの手間暇コストが掛かっているかを,
【想像すること】
すら出来ないのです。

だから,タダでよこせ,と厚顔無恥なことを言えるだけなのです。

解決策としては,単に教えるだけです。

「小さな子どもが,八百屋の店先からリンゴを1個持っていき,お金を払わなかったら泥棒ですよね。
なぜなら,リンゴは八百屋が有料で売っている物ですから。
あなたが私からタダでアドバイスをもらえると思っているなら,八百屋へ行って,リンゴをタダでもらって当たり前,という発想をしていることと同じなんですよ」

「けれど,リンゴがおいしいかどうかわからないので,試食用に一切れ食べてみる分には無料です。同じように,専門知識でも,一部分についてお試しで無料で教えることはあります。そこはお試しなので,商品とは一緒にしないで下さいね」

と,はっきり言うしかないでしょう。

それでもタダで情報を聞き出そうとする人は,しかるべき措置を執ればいいだけの話です。