値段の見せ方の裏にある心理操作

値段の見せ方の裏にある心理操作

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こんにちは。
札幌市近郊を中心に活動する集客代行業,
アップスタッツ経営研究会,
セールスコピーライターの飯山です。

 

ある慈善団体の,寄附を募る広告を見かけました。
「一日150円でこの子達を~」
といったメッセージで,
子どもの顔写真が出ていました。

 

 

いわゆるネット広告の類は,
あまり詳しくありません。

 

この広告をクリックするだけで,
150円くらいの広告費が課金されるのでは…
などと勝手に思ってしまいます。

 

 

さて,ここからは算数の時間です。
1日150円寄附するとします。
30日でいくらになるでしょうか。
365日くくらになるでしょうか。
10年でいくらになるでしょうか。

 

 

正解はこちら。
30日で4500円。
365日で5万4750円。
10年だと54万7500円。

 

 

高いか安いかはさておき,
まとまった金額にすると,
相応の額になります。

 

だからこそ,
「1日150円」
という数字にしたのでしょう。

 

 

朝三暮四,
という故事成語があります。

 

《中国、宋の狙公 (そこう) が、飼っている猿にトチの実を与えるのに、朝に三つ、暮れに四つやると言うと猿が少ないと怒ったため、朝に四つ、暮れに三つやると言うと、たいそう喜んだという「荘子」斉物論などに見える故事から》目先の違いに気をとられて、実際は同じであるのに気がつかないこと。また、うまい言葉や方法で人をだますこと。朝四暮三。
(デジタル大辞泉)

 

別の出典では,
この猿の愚かさを揶揄するような
記載があるものも見かけたことがあります。

 

では,この猿は愚かなのでしょうか。

 

 

本当にこの猿が愚かだったら,
多くの人間も愚か,
ということになります。

 

なぜなら…この猿と,
大局的にはほとんど変わらないからです。

 

 

1日150円ずつの寄附ならOKでも,
30日で4500円の寄附がダメ,
という人は必ず居るからです。

 

とはいえ,
1日150円×30日=4500円
であることは確か。

 

片方がダメというのは一貫性がありません。
猿と同じです。

 

朝三暮四がだめで,
朝四暮三がだめ,
ということと何が違うのでしょうか。

 

 

とはいえ,人と猿は違います。

 

猿は動物です。

 

この故事成語のように,
猿と会話…というファンタジー要素は脇に置きます。

 

「1日150円×30日」と
「4500円」は,違うのです。

 

なぜでしょうか。

1日150円×30日,
ならば,
ちょっとした無駄遣いを防げば出せる額です。

 

ですが,
4500円を,
例えば会社員などが節約する…
というのは,ちょっと大変です。

 

あるいは。
1日150円×30日ならば,
買えるものも限られているので,
自分のお金を出して寄附することへの
心理抵抗は下がります。

 

けれど,4500円だったら,
買えるものも増えてきます。

 

 

自分のお金を出して寄附する…
すなわち,
何か別の自分の欲しいものを
買うのをあきらめる。
という心理的抵抗が上がるのです。

 

 

だからこそ,
「30日4500円」
ではなく
「1日150円」
でなければならないのです。

 

 

結果的に…
「騙された」と言ったら語弊があります。
騙していませんから。

 

なので「引っかかった」
くらいの表現にしておきます。

 

 

「1日150円なら…」
と思わせて,
まずはちょっとした
どんな小さな行動でもはじめさせることが
出来れば…
寄附募集者側の思うつぼ。

 

 

なぜなら,
行動が伴った時点で,
一貫性の法則が作用するからです。

 

 

さすがに,
「1日150円ならばいいけれど,
30日4500円はだめ」
とは恥ずかしくて言えないからです。

 

 

さらに,応用する方法もあります。
物販の分割ローンなどで見かけます。

 

 

例えば,
350万円の車があるとします。

 

展示場で,
新車を触ったり見てみたくなったりして,
欲しくなったとします。

 

 

価格は3,500,000円。
※税金やオプションは,
話が複雑になるので省略します。

 

 

ここで,
価格を3,500,000円と出します。
350万円ではなく,です。

 

3,500,000円だと,
「高い!とても買えない」
と思わせます。

 

 

その次に,
「毎月66,000円から」と書きます。

 

 

「価格 3,500,000円
 毎月 66,000円から」

 

 

こんな感じでしょうか。

 

これで,
コントラストの法則が働きます。
66,000円を
安く見せかける事が出来るのです。

 

 

「毎月66,000円なら何とかなるかな?」
と思わせられれば成功です。

 

 

実際には,
「金利5%」
「金利支払総額約460,000円」
「支払総額3,960,000円」

 

という情報は目に入りません。
どこかしらに小さくは
書いてあると思いますが…。

 

 

ここで,
「66,000円ならば出せる,欲しい」
と思ったら…販売者側の勝利です。

 

 

おそらく,はじめから
「3,960,000円」
だと分かっていたら,

「欲しい」とは思わなかった,
という人も多いのではないでしょうか。

 

 

価格という数字の裏にある,
心理操作を分析・解説しました。
ご利用は…倫理的にお願いします。

 

 

 

なお,
一貫性の法則やコントラストの法則について,
詳しくは「影響力の武器」という,
コピーライターのバイブル的著書に詳細が書かれています。

 

集客や広告宣伝を行う方であれば,
一読しておいたほうが良い書籍です。
ぜひ一度手に取ってみてください。
…心理操作の
あまりにもエグい実験結果が赤裸々に書いてあります。

 

今日のテーマに関連する記事はこちらです。
あわせてご覧ください。

 

最強の心理トリガーは何か

裏メニューを正しく使いこなすための「秘密のトリガー」

心理誘導を仕掛けて販売することの是非

人を陥れる悪魔の心理誘導

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あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平
 

 

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