「紹介」という負のレバレッジの拡散

「紹介」という負のレバレッジの拡散

「紹介」という負のレバレッジの拡散
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5年以上前に,実際に私が体験した話です。
知り合いの紹介で,札幌市内の方から,自己破産申立の手続きの依頼が来ました。

ですが,札幌なので,管轄的な都合で,私が受けるのはふさわしくありません。
札幌市内の弁護士に依頼した方がいい,ということになりました。

ありがたいことに,今は信頼できる弁護士の知り合いはいます。
けれど,当時は札幌市内で弁護士に知り合いはいませんでした。

そこで,知人の伝手で,ある弁護士を紹介してもらうことになりました。
私自身が,直接弁護士と電話で話をして,依頼を受けてもらえるかどうかを確認。
私の名前を出して法律相談を申し込みしてもらえれば,受ける,という確約をいただきました。

後日,知人から電話が掛かってきました。
弁護士から,
「そんな話は知らない」
と行って追い返されたそうです。

すぐに私が弁護士に電話してどうなっているのか確認したら,
「あ,忘れてました」
とのことです。

私自身が直接付き合いのあるわけではない,知り合いの知り合いの弁護士だったので,仕方がないかもしれません。
ですが,私の知り合いや自己破産したい,という方には迷惑をかけ,私の信用も下がりました。

今日のテーマは,紹介のリスクです。

紹介といえば,非常に強力な新規顧客獲得手段です。
「うちは紹介からの顧客獲得が多いです」
という経営者も多いのではないでしょうか。

ですが,紹介にはリスクが伴うのです。

話は変わります。
FX(外国為替証拠金取引)をご存知でしょうか。
FXといえば,「レバレッジ」が有名です。

例えば,手持ち資金10万円で,FXをはじめた場合,レバレッジを10倍まで上げれば,
「100万円分」
の取引ができる,ということになります。
この場合,10万円が「証拠金」ということになります。

具体例として,1ドル100円だったとした場合。
10万円を証拠金にして,レバレッジ10倍で取引したとします。

ドルが上がる…と予想して,ドルを買います。
1ドル100円×1万通貨分=100万円です。

その後,1ドルが101円に上がったので売却します。
1万通貨×101円=101万円。
100万円で買って101万円で売ったのですから,利益は1万円です。
元手は10万円ですので,1万円の利益が出て11万円になりました。

では,この反対になったらどうでしょうか。

ドルが上がる…と予想して,ドルを買います。
1ドル100円×1万通貨分=100万円です。
その後,1ドルが99円になったので,損切りして決済しました。
1万通貨×99円=99万円。
100万円で買って99万円で売却したのですから,1万円の損失です。
モドでは10万円ですので,1万円の損失が出て,9万円になりました。

別にFXを推奨しているわけでもなんでもありません。
ただ,「レバレッジ」という用語をわかりやすく説明するための具体例として紹介したまでです。

もともと10万円しかない人が10倍のレバレッジを掛ければ,100万円分の取引ができます。
100万円分の取引ができるから,1万円の利益が得られたのです。

10万円で取引をしていたら…利益は1000円です。
これでは,利益確定できたとしても少額過ぎて,やる気がでないのではないでしょうか。

これがレバレッジの魅力です。
しかし,当然ですが,レバレッジにはリスクがあります。
つまり,利益がレバレッジで拡大するのと同様,リスクもレバレッジで拡大するのです。

10万円中1万円の損失というように,です。
仮に10万円中1000円の損失だったら…大したことがないように感じるのではないでしょうか。

これが,レバレッジのリスクです。

そして,「紹介」とはレバレッジなのです。
紹介は,2つのレバレッジが利いています。

一つは,定量的なレバレッジ。
具体的には,アクセス範囲(人脈)やお金,時間。

もう一つは,定性的なレバレッジ。
信頼やブランドです。

例えば,起業した時は,お金も時間も人脈も信頼もブランドも,なにもありません。

ですが,起業直後ということで考えるならば,一番足りないものは「信頼」です。
聞いたこともない,実績もなにもない会社の商品やサービスなど,怖くて買えないからです。

そこで,「信頼」にレバレッジを掛けるのが,紹介です。

新規起業で,全くのゼロベースで立ち上げる…にしても,その起業家の知り合いや家族くらいはいるでしょう。
その人達の信頼を借りて…すなわち,信頼にレバレッジを掛けて,受注する,ということになります。

これが,正のレバレッジだとします。
では,負のレバレッジとはどういうものでしょうか。

それが,冒頭に紹介したエピソードです。
すなわち,風評にレバレッジが掛かって広まってしまう,ということになりかねません。

もし私が,この弁護士を実名で,SNSで拡散したらどうなるでしょうか。
…もちろん,そんなことはやりませんが,私もかなり腹に据えかねて,実名で風評を広げたことはあります。

本当は良くないものを紹介して広げてしまう…その結果,信用も失い,顧客も不幸になる。
これが紹介の怖さです。

紹介は,無料でお金がかからない,新規顧客獲得戦術として認知されています。
ですが,紹介には極めて高いリスクが伴う,ということも忘れないでください。

世の中,メリットだけではなく,デメリットもあるのですから。

あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
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