ニーズを満たそうとする過ち

ニーズを満たそうとする過ち

ニーズを満たそうとする過ち
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突然ですが、質問です。
ここ1週間くらいを振り返ってください。
あなたが「欲しい」と思って買ったものは何があるでしょうか。
1週間内になければ、1ヶ月位を振り返って、
「欲しい」
と思って買ったものが何かを思い出してください。

話は変わります。
良いか悪いかは置いておきます。
先日、スーパーに買い物に出かけました。
調味料の味噌と塩を切らしていたので、売り場に行ってみたところ…いろいろと売っていました。

おそらく、私の妻であればいろいろと選択基準を持っているのでしょう。
どれがいいのか、あるいはどれが悪いのかという知識を持っているので、その知識に基づいて商品を選択したと思われます。

しかし、その場にいたのは私だけ。
私が買い物をして帰らなければなりません。

そこで…適当に安そうなものを選んで購入しました。

定義【塩】
塩化ナトリウムを主成分とする塩辛い味の物質。海水や岩塩から製し、精製したものは白い結晶で、食生活の基本調味料。食塩。
(デジタル大辞泉)

ウィキペディアによれば、
「塩は人間の生存に必須のため、古くから政治的、経済的に重要な位置を占めていた。世界各地に海岸部の塩田や内陸部の塩湖から塩を運ぶ道があり、塩を扱う商人は大きな富を得た」
とあります。

さらに、
「古代ローマにおいて、兵士への給料として塩(ラテン語 sal)が支給された。英語の salary (サラリー:「給与」)はここに由来している。」
とのこと。

最近では、菓子メーカーのカルビーが、ポテトチップスの「のりしお味」の販促のために、那須どうぶつ王国のカピバラ2頭、「のり」と「ソルト」を社員として採用したとのこと。

サラリーマンならぬ、サラリーカピバラとして、「のり」と「ソルト(塩)」を雇ったというのも、なんともひねった話ではあります。

それだけ、重要な「塩」だったはずですが…プライベートブランドで、1キロ95円で販売していました。

人体に必要不可欠で、だからこそ生活の糧としての象徴として「サラリー」の語源にもなっている、塩。

1キロだった95円です。

これは、塩の精製について、発展した科学技術を称賛すればいいのでしょうか。
それとも、別の考え方を取るべきでしょうか。

今日のテーマ
「ニーズを満たそうとする過ち」
です。

そもそも、ニーズとは何でしょうか。
定義【ニーズ needs】
必要。要求。需要。(デジタル大辞泉)

定義【需要】
商品に対する購買力の裏付けのある欲望。または、その社会的総量。(広辞苑)

早い話、社会からどれだけ必要とされているか、ということです。
必要とされているので、多く生産しようとします。
その結果、多く供給されます。
需要に対して供給が多くなるので、値崩れします。
その結果、値段がさがります。
単純な需給バランスの話ですが、ここで一つの問題が生じます。

それは、
「塩はワンコイン(100円)で買えるものである」
と、消費者が認識してしまうことです。

すると、そのワンコインが基準になるので、良い塩を作っても、「高い」と思われるようになるのです。

結果として、個性も何もない商品を大量生産します。
大量生産することで単価が下がります。
そのようにして、低い単価でもなんとか利益を取れるように努力します。
これが、いわゆる「コモディティ(大量消費財)化」への道です。
大量生産して、価格競争力で勝負できる、大企業の戦略となっていきます。

結論として。
「必要なもの」
…すなわち、ニーズを満たそうとアプローチする、ということは、大企業の戦略です。
私達のような中小零細ビジネスが行う戦略ではないのです。
ニーズを満たそうとしてはいけないのです。

少々下世話な例を出します。
例えば、キャバクラに行って女の子と一緒にお酒を飲むとします。
これは「必要」だから飲むのでしょうか。

もしかしたら、私のようなマニアックな職業(コピーライター)が、リサーチのために、キャバクラに行って、女の子にインタビューをすることがあるかもしれません。
(幸いにして、未だにそのような案件を受けたことがないので、私はキャバクラにインタビューへ行ったことはありませんが…)

この場合は「必要」でしょう。
ですが、こんなマニアックな例でもなければ、
「キャバクラに行く」
【必要性】
などないはずです。
そこにあるのは、ニーズではなくウォンツ(欲求)です。

最初の質問を思い出してください。
あなたが欲しいと思って買ったものは何だったでしょうか。
「必要」だから買ったのではなく、「欲しい」からかったもののはずです。
それはいくらだったでしょうか。
そして、それは高かったでしょうか、それとも安かったでしょうか。

ここでのポイントは「高かった」「安かった」と考えた場合、その基準はどこにあるのか、ということです。
業界最安値を基準に考えた場合、その金額と同額であれば、安かった…のかもしれません。

ですが、おそらく値段のリサーチなどしていないのではないでしょうか。
もしかしたら、ずっと欲しかった家電製品等であれば、価格ドットコムあたりで調べられるかもしれません。
とはいえ、それでも「最安値」を選んで買ったのでしょうか。

必要なものであれば、なるべく「安い」ものを買います。
ワンコインで買える1キロの塩のように。

でも、欲しくてたまらない…ウォンツに根ざした購買動機となれば、違うのではないでしょうか。
すなわち、その価格を
「他から安く買おうとする」
のではなく、
「その価格をどうやって払ったらいいのか」
を考えるのではないでしょうか。

そこにあるのは支払い方法の問題であって、価格の問題ではないのです。

顧客のニーズにアプローチしてはいけません。
顧客が「どうしても欲しい」と思えるようにアプローチしなければならないのです。

この記事で、あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
飯山陽平

追伸
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