「お客様の声」というものの「真実」

「お客様の声」というものの「真実」

「お客様の声」というものの「真実」
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もう10年以上前の話なので,時効でしょう。
ということで,ちょっとした暴露話です。

あるマーケティングのセミナーに参加したときのことです。
講師が,
「このセミナーが終わった後,セミナーについての感想をお客様の声として動画を撮りたいと思います。
収録させていただいた方のうち,【良いお客様の声】だと【思った】方,上位3名については特別の賞品を差し上げます」
と言い出しました。

何だったかは覚えていませんが,私も賞品ほしさに,お客様の声にチャレンジ。
良く覚えているのが,
「なんか凄い内容だったけれど…実際にこれを実行するのは難しそうだから,内容としてはいまいち」
と思いつつ,そのセミナーをべた褒め(実際に何を言ったのかまでは覚えていません)。
後日,自宅に宅急便で賞品が送られてきました。
…結局,送られてきたものは使うこと無くしまいこんだまま処分したような気がします。

さて。
昨日は事実と真実の違いについて思うことを書きました。
事実は客観的です。
真実は主観的です。

この使い分けは,なかなか難しいものです。
それ以上に難しいのは,「事実」を述べることでもあります。

なぜでしょうか。
どうしても主観が混じってしまうからです。

例えば,
「明るい表情をした女の子」
と表現したとします。
これは事実でしょうか。それとも真実でしょうか。

もちろん,真実です。
事実ではありません。
なぜならそこに主観が混じっているからです。
ここでは「明るい表情」というものは,主観的判断が混じっています。

ここでの「事実」は,「口を開いて前歯が見える女の子」…という感じでしょうか。

もしかしたら,「女の子」も主観的判断かもしれません…確かめたわけではないでしょうから。
あんまりこの話を進めると,LGBTとかの危ない話題に突入するのでこれくらいにしておきます。

このことを理解すると,その人の奥にある「観念」が見えてきます。

コピーライティングにおける作業工程の8割はリサーチだと言われています。
そのリサーチの中でもトップクラスの重要な情報…それが,見込み客の観念です。
なぜそれが大事なのかについては,今日のテーマではないので省略します。

相手がどんな観念を持っているか。
それは対話を続けていく中で,言葉の端々に出てくるものです。
ただ,観念というものは極めて見えにくい存在です。
例えるならば,メガネを掛けている人にとって,今まさに掛けているメガネのようなものです。
自分が今掛けているメガネを視認することは難しい,ということはご理解いただけるのではないでしょうか。

それくらい見づらいものです。
そこで,相手の観念を見つけ出すちょっとした考え方を紹介します。

それは…相手に具体的な事実を聞き出すことです。
昨日と今日紹介したように,主観的な要素が入ってしまったら,事実ではなくなります。
ですので,上手く質問し続けることによって,事実を聞き出すことができます。

カンタンな例を紹介します。AさんとBさんのやり取りです。

A「あのXさんって,感じ悪いよね」
B「そうなんだ。何でそう思ったの?」
A「え?みんなが言ってるよ」
B「みんなって誰のこと?」
A「…」

この例だと「みんな」という一般論を使ってXさんを貶めることを言っていることになります。
敢えて表現するならば,本当に感じが悪いのはAさん,ということになるでしょう。

別の例を紹介します。

A「あのYさんって,何か怖いよね」
B「そうなんだ。なんでどう思ったの?」
A「いつも上から見下ろすようにな眼差しをしているから」
B「そうなの?Aさん,身長何センチくらいある?」
A「190センチくらいかな。かなり大きいよ」
B「そうなんだ。で,あなたは?」
A「149…」

190センチが事実かどうかはわかりませんが,仮にそうだとした場合,身長差40センチ以上あることになります。
Aさんにとって,自分よりずっと背の高い人から見下されると,相手は威圧してきているかのように感じる…という観念を持っていることが見えてくるのではないでしょうか。

このように,相手の話から具体的な事実や過去の出来事などを聞き出して,事実や出来事に対して,その人はどんな見解を持っているか…によって,観念が見えてくるのです。

ちなみに。
お客様の声も同じです。
その表層の見解だけを並べても薄っぺらくなり,説得力は薄れます。
例えば,
「このセミナーはとてもわかり易かったです」
というのか。
「このセミナーは,明日からすぐに実行できそうな点がいっぱいありました」
とでは,どちらが「わかりやすい」という印象を伝えることが出来るでしょうか。

…このような見方でお客様の声を見ていくと,いろいろと胡散臭くなってくるかもしれません。
いかに事実や具体的な出来事,しかも数値で表現できるような客観性のある事実が盛り込まれているか。
それがない「お客様の声」ばかりを集めたものは…怪しい可能性が高いでしょう。

…そう思われないように,お客様の声は,出来事や事実を集める必要があるのです。

あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平

追伸
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