「否定」せずに「否定された感覚」を与えてしまう方法

「否定」せずに「否定された感覚」を与えてしまう方法

「否定」せずに「否定された感覚」を与えてしまう方法
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ちょっと思い出してみてください。
あなたにとって,
「コミュニケーションが噛み合わない」
と感じる人を誰か,思い浮かべてみてください。

次に,なぜその人とコミュニケーションが噛み合わないのか。
その原因を考察してみてください。

これまでに何度か書いてきました。
このブログは,コンテンツを提供する,という目的もあります。
ですが,それ以上に私自身がこれまでに学んできたコピーやマーケティングに関する知識のアウトプットが目的です。
そして,書くことそのものの訓練でもあります。

この「書くことの訓練」の中に含まれるのが,「言語化」です。
言葉にできない,なんとなく…という感覚的なものを,どれだけわかりやすく言葉に変換できるか。
これが,コピーライターとしてのスキルとして欠かせないもの。
なので,日頃のブログ執筆…という名の下に訓練をしています。

この「言葉にできない感覚的なものを言語化する」とはどういうことか。

その前提にあるのが,人間は(一部の鈍感で空気が読めない人を除いて)繊細なセンサーを持っています。

例えば,
「あ,この人怒ってる」
とか,
「あ,なんか機嫌がよさそう…」
というのは,何となく察することができます。

安っぽい表現をするならば,
「空気を読む」
ことができます。

この空気を読む行為の一つに,感覚的なものを察知する,ということです。

察知するだけなら,できる人はできます。
ですが,察知したものを言語化するのは,なかなか骨が折れるものです。

具体例としては,ある飲食店に入ります。
その飲食店が「雰囲気がよい」とか「雰囲気が悪い」というのは,感覚的なものです。
これを「具体的に何を以て雰囲気がよいのか」を言語化するのは大変です。
だからこそ,日頃から訓練しておかなければならないのです。

さて,本題です。

人間関係や日常のコミュニケーションにおいて,この考え方は重要です。
なぜなら,自分の言動や振る舞いで相手に不快な思いをさせたくはないでしょうから。

例えば,顧客リサーチ。
コピーライティングでもっとも重要なリサーチが,顧客リサーチです。
顧客にいろいろアンケートを実施したりインタビューすることで,得られるものはたくさんあります。

ですが,質問の受け答えなどで,相手に不快な思いをさせてしまったら,どうなるでしょうか。
心を閉ざして,答えてもらえなくなるのは言うまでもありません。

ただ,相手を罵倒したり,威圧したり…などという明らかな行為ではなく,何となくの日常的な会話で,相手を不快にさせてしまっていたら…
しかも,相手が,その不快に思う原因がわからなかったら…

「なんか,感じが悪い」

で終わります。この場合,顧客が「なぜ感じが悪い」と感じたのかが言語化できないからです。

そして,顧客を不快にさせる,効果的な方法が,「否定」です。

昨日も書いたとおり,質問したら,

「そんなはずないでしょう。本当のことを言いなさい」

などと頭ごなしに否定されたとしたら…答える気が失せて当然です。
インタビューにおいては,まさかこんな露骨な否定をするような人はいないでしょう。

ですが,次の2つはどうでしょうか。

(1)言葉を置き換える
簡略化した例で解説します。

「好きな食べ物はなんですか?」
という質問に,
「パスタです」
という答えになったとします。
そこで,
「スパゲティですね」
というコミュニケーションだったらどうでしょうか。

パスタとスパゲティの違いについては気が向いたら調べてみてください。

ここでは,
「パスタです」
という答えに対して,
「スパゲティですね」
と返す,ということは,相手の答えを否定して,自分の認識を押しつけたことに他なりません。

これが,気付かずにやっている否定です。
コミュニケーションとしては,人を傷つける行為であると同時に,コピーライティングのリサーチとしても,完全にアウトです。
相手の言葉を勝手に自分で置き換えるくらいなら,「はじめから聞くなよ」と思われるだけでしょう。

(2)質問に答えない
これはインタビューでは起きにくい反面,日常会話においては,非常に頻発します。
冒頭で「この人とはコミュニケーションが噛み合わない」と感じる,主要な点となり得ます。

極端な例だと,
「パスタが好きなんですか?」
という点に対し,
「この前食べた塩サバ定食はおいしかった」
と答えるようなものです。

パスタが好きか,という質問ですので,答えは「はい」か「いいえ」です。
塩サバ定食の話なんて聞いてません。
これが相手を「否定」するコミュニケーションです。
意図的に相手を無視して,自分の言いたいことを言っているのですから。

さすがにここまで噛み合わない人は珍しいでしょう。
ですが,微妙にずれている例はよくあります。

具体例としては,
「これまでどんなお客様が多かったですか?」
という質問に,
「男性が多かったです」
という答えが返ってきます。

その回答を前提に,
「では,具体的にどんな方ですか?」
と掘り下げたところ,
「30代主婦で,子供が二人…」
という感じです。

先ほどは,男性,と答えたのに,なぜか「主婦」という具体例になります。

ここで起きていることは,回答者側が,質問に答えてから,次の質問の間に,脳内で思考が働きます。
「男性って答えたけど,男性だけとは限らないかな…ついこの前の方は,30代主婦で子供が二人だったし…」
と思考している状況で,
「具体的にはどんな方ですか?」
と聞かれたのでその瞬間に脳内で思考している「30代主婦」という答えになります。

では,このような答えを受ける側としては,どう感じるでしょうか。
今回はまだマシです。一応答えようという意図は感じられるかもしれません。

ですが,「自分の質問は無視して,相手が言いたいことを一方的に言っている」という印象を受けます。
無視されて感じがいいと思う人はいないでしょう。
無視…これを別の表現をするならば「否定」です。
否定されたらいい気分はしないでしょう。
こういった,答えと思考にギャップがあり,質問に答えない人が「噛み合わない」と感じる要因です。

否定に関して,ここ数日詳しく解説してきました。

頭ごなしに否定しなくとも,結果的に相手を「否定」したことになるのです。
相手は言語化できずに「感じが悪い」と思うだけかもしれません。
ですが,それでも感じが悪い,と思わせた相手に,人はどんな態度に出るのか。
あまり言いことはなさそうです。

特に2番目の質問に対して答えない,というのは非常によくあります。
すべてがすべて正直に答えるべきかどうかはまた別ですが,ずれた答えは,悪印象を与えるだけです。

あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平

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