そろそろ今日のブログを書かないと…と思いながら、メールチェックをしていたところ、アンケートの依頼が来ていました。
ああブログ書かないと…アンケートどころじゃない…と思いながら、書き上げて送信。
何がここまでアンケートを書くことに駆り立てたのでしょうか。
一つは、ちょっとした逃避です。
学生時代に、試験前に鳴って勉強をする…準備と称して、机を片付け…そのまま片付けるだけで終わった、なんて人もいるのではないでしょうか。
やらなければならないことはわかっているのですが、つい逃避してしまうという気持ちです。
もう一つの理由。それが今日のテーマです。
その背景にあるのは、今回アンケートの依頼が来た内容は、ある商品についての感想を求めるものです。
ところが…実は、その商品について、私は返品したのです。
返品した商品について、アンケートが来ていたのです。
これはシステム的なものだから、仕方がないことなのでしょう。
とはいえ、そのアンケートに、他にやらなければならないことを脇においてでも、取り組む。
その心理的な要因に、理由があるとしたらそれは何でしょうか。
実は、これも
「返報性(へんぽうせい)の法則」
の作用が働いているのです。
返報性の法則とは、よく何か恩を感じたら、その恩を返さずに入られない人間の反応をいいます。
有名な例では、試食などをすると、そこで「タダで食べさせてもらった」という恩を感じて、買ってしまう…というものです。
小さな恩を感じた場合、それ以上の恩を返すというその作用が、この場面でどのように働いているのでしょうか。
それは、罪悪感です。
商品を受け取って、その商品の内容をチェックして、返品。
返品した商品はもちろん、新品として売ることはできません。
販売側としても、
「返金保証」
を付けているのですから、返品すること自体は問題ありません。
ですが…多かれ少なかれ罪悪感を受けるものです。
言い換えると、
「返品させてくれた」
ということに、恩が出来るのです。
…そこに返報性の法則が作用するのです。
なかなかここまで理解して活用している人は少ないのですが、このような
「罪悪感」
を伴う行為の時に、返報性の法則を活用することが出来るのです。
例えば、今回のように、何かを返品した場合。
ここで
「お客様に満足してもらえるように、商品を改善したいと思います。アンケートにご協力いただけますか?」
と言われたら、そこに返報性の法則が作用するので、断りにくくなるのです。
別の例では、解約。
継続課金型サービスをキャンセルする時、そこにちょっとした罪悪感が生まれます。
よほどの不始末をやらかして顧客を激怒させたわけでもないのであれば、ですが。
例えば、フィットネスクラブに毎月払っていて…それでもなかなか通えずにキャンセルする場合。
ここに、「毎月払っていた」という事実が積み重なり…それをキャンセルする、ということで、少々罪悪感が生まれます。
そこで、こんな活用の仕方もありでしょう。
「これまでご利用いただきましてありがとうございました。結果的にキャンセルとなりましたが、あなたは実際に◯ヶ月間、会員を継続していただいたのは、当サービスに問題がなかったからではないでしょうか。
そこで、よかったら、どなたかご紹介いただけますでしょうか」
と、紹介依頼をすればいいのです。
ちょっとサイフを引き締めよう…と思った時に、このような継続課金型の支払いは、真っ先に切られる傾向があります。
そこに、フィットネスクラブ側の落ち度がないのであれば…紹介依頼をすることで、返報性の法則が作用します。
通常よりも紹介率が高くなることでしょう。
キャンセルや返品、セールスの失敗。
そこで、そのまま終わらせるのではなく、食い下がるのでもなく…
せっかくですから、「転んでもただでは起きない」精神で、返報性の法則を活用してみてはいかがでしょうか。
なお、本気で返報性の法則等の心理トリガーを学びたいのであれば、この本以上にふさわしい物は、少なくとも私は知りません。
コピーライターや、セールスマン、マーケッターにとっては、「バイブル」とも言える一冊です。
ロバート・チャルディーニ著「影響力の武器」
http://goo.gl/ZtmHqh