かれこれ１５年くらい前の事。
個人的には非常にショッキングな思い出があります。
当時，司法書士試験の受験勉強のため，いわゆる資格の予備校で勉強していました。
その時勉強していたのは，商法。
今で言うところの会社法です。
この会社法というのはなんともコクのないあっさりテイスト。
要するに，勉強していてもちっとも印象に残らないのです。
社会人だったり，企業の法務部などで仕事をしていれば，まだ分かりやすいのですが，当時はまだ学生。社会人経験はありません。
そんな私にとって，会社法の領域は完全にリアリティがない，実に曖昧模糊としたテーマでした。
とはいえ，別に私に限ったことではなく，多くの人に取ってコクのないあっさりテイストだったようです。
講義中のこと，講師をしている司法書士の先生が
「会社法は実に覚えにくいものです。実際，今話している内容を１０分後に覚えていることはないでしょう」
とのこと。
「いや今日の夜とかならともかく１０分くらいならば覚えてられるだろ…」
内心，そう思い，また目の前のテキストや条文に意識を戻しました。
…すると。
「先ほどから１０分経ちました。先ほどどんな話をしていたか覚えていますか？」
この時の私の衝撃…そして教室のざわめきは今もなおよく覚えています。
本当に全く覚えていなかったのです。
今では「なぜ記憶に残らないのか」というメカニズムをきちんと理解しているのですが，当時の私…として同じ教室内にいた他の受験生に取っては大問題でした。
さて。
今日は４月１日。
…新年ではなく新年度の始まりです。
おそらくこのブログをご覧のあなたですから，一般的なケースよりはずっと向上心が高いのではないでしょうか。
そんなあなたに質問。
今年立てた目標，覚えていますか？
もしまだ目標を立てていないのであれば，さっさと立てて下さい。
ちなみに，目標設定の方法などについては，どちらかと言えば自己啓発的な内容になってくるので，詳細には踏み込みません。
このブログは…しつこいようですが，マーケティングやコピーライティング，セールスやカピバラの話がメインです。
ということで詳細はさておき，目標を立てたのなら，３ヶ月ほど前の事だし，まだ覚えていることでしょう。
…大丈夫ですか？
しつこいようですが，このブログはマーケティング等がテーマ。
今日のこの話題も，もちろんマーケティングがテーマです。
伝えたいことは，たった１つ。
「人は忘れっぽい」
ということ。
ダン・ケネディが，
「あなたのオファーを見たら，大雪の中，車の上の雪をどけて，必死に郵便局まで走り，切手を貼って投函するくらいでないといけない」
などと言っています。
…前提としては，申込み方法が電話やネットではなく，郵便という時代の話ですが，基本的な考え方はそのまま適用できます。
他のいかなる用件を差し置いて，面倒なものに立ち向かってでも行動させる。
そこまでできるオファーの提案ができれば何も言うことはありません。
ただ，現実的にここまでのイレジスティブルオファー（抵抗できないオファー）を提案できるかどうか，というのはまた別の話。
ならば，ＤＭにおいては，タイミングだったり，記憶の壁を狙っていかなければいけません。
具体的には，
「その時はいらなかった」
という人もいれば，
「あと●日後だったら必要」
というタイミングの人も居るでしょう。
あるいは。
「あとで申し込もう」
と思ってそのまま忘れてしまう人もいます。
…私も結構忘れてしまいます。
それはさておき。
ならば，
「人はそもそも忘れっぽいものだ」
という前提に立てば，マーケティング戦略もそれに応じて変わってきます。
非常にシンプルな方法としては，複数回の接触です。
ＤＭであれば，単純に１回だけではなく２回，３回と送ることで，頻度を上げる事が出来るのです。
頻度を上げることで，忘れられないようにすることもできるのです。
脳科学的に見ると，３０日以内に７回接触したデータは，脳が「これは重要なデータだ」と判断するので覚えやすいのだとか。
人は忘れっぽいのです。
ＤＭは何度も送って下さい。
そして，目標も，書いただけではなく，何度も見直すように心掛けてみて下さい。